「賃貸マンション・アパートの退去でタバコの臭いがついている場合の退去費用は誰が負担するべきなのか、費用はどれくらいになるのか・・」悩んでいませんか?
そんな方へ、管理会社で働き退去費用の精算を300回以上を行ってきた「敷金の師匠」が、懇切丁寧に説明します。
この記事は以下のような人におすすめ!
・喫煙によるのタバコの消臭費用は誰が負担するべき?
本記事を読めば、修繕費用は誰が負担すべきで、適切な金額はどの程度なのか知ることができます!
記事前半では”退去の基本的な考え方”を知っていただいた上で、後半では”症状別でタバコの匂いに対する退去費用を誰が負担するのか”を解説していきます!
退去費用の基本的な考え方
記事を十分に理解するために、考え方を2つだけ知ってもらいます。
そこまで難しい内容ではないので一読するだけで理解していただけると思います。
では、早速いきましょう。
誰が費用負担するかを決める方法
1つ目に紹介するのは、修繕費用を誰が負担するのかを決める方法についてです。
不動産会社は、退去費用を借りていた人と貸していた人のどちらが負担するのかを、国土交通省の発行している「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン」の中で定められたある基準に従って決めてます。
■判断基準となるルール
貸していた人(貸主)の負担となるのは、次に該当する場合
- 自然劣化:正しい使い方をしていても、時間とともに物理的に進行してしまう劣化のこと
- 通常損耗:通常の生活を送る中で生じてしまった痛みや損傷のこと
逆に、
借りていた人(借主)の負担となるのは、次に該当する場合
- 自然劣化、通常損耗を超える損耗:故意的に、または使い方が悪かったことで起こる損傷のこと
賃貸借契約書の定めが優先される
2つ目に紹介するのは、1つ目に紹介したルールよりも優先されるものについてです。
それが、賃貸借契約書の定めです。
退去費用について賃貸借契約書での定めがある場合、それに従って処理されることになります。
⇒特約で定められている事が多いため、きちんと確認するようにしましょう。
⚠賃貸契約書の特約の探し方・読み方については別記事にて紹介しています↓
タバコの臭いがある場合の修繕費用について

① | ② | ③ | |
修繕方法 | 壁紙の貼り替え | オゾンによる脱臭 | ボードの特殊清掃 |
費用 | 1,000円〜2,000円/㎡ | 500円〜1,500円/㎡ | 1,000円〜2,000円/㎡ |
補足事項 | 臭いの程度による | 相当の臭いがある場合 |
読者から質問の多い項目
Q.壁紙を全部張り替えると言われたんだけど、そこまで必要なの?
A.場合によりけり
これは非常に難しい問題です。
貸主側にたてば、次の入居者確保のためにもヤニ汚れや匂いは完全に取り除きたい。
実際、部屋からヤニ匂いがするから契約を見送られるケースも少なからず存在しています。
だからといって、
少し吸っていただけで、室内の壁紙をすべて貼替えるのが当然かといえば、そうではないような、、
匂いや汚れという主観要素が入る以上、明確な基準を設定するのが難しいのが実態です。
実際の判例等を見ても個々の状況によって判断が異なっています。
つまり、最終的には協議なんです。
明確なルールがない以上、原状回復について理解し正しい話し合いをする
面倒ですが、そういうものなのです。
Q.管理会社は喫煙していたかどうかをどうやって判断しているの?
A.目視と臭いという主観で判断している
借主からの申告がない場合、管理会社がタバコを吸っていたかどうか判断するポイントは以下の2点です。
①タバコの臭いがする
②壁紙にヤニ汚れがある
③業者の方からの報告
これを聞いて
「え?かなり主観的じゃない?」
と思われた方がほとんどだと思います。
そうです。かなり主観が入っています。
匂いがあったり、壁紙にヤニ汚れがある場合以外は結構判断しづらいです。
なので退去の立会い時に
「タバコを吸っていましたか?」
とカマをかけて確認することも非常に多いのが実態です。
悪用厳禁ですよ