本サイト・記事は「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン」をもとに作成しております。

賃貸マンション・アパートの退去で壁紙にキズや凹みや穴がある場合の退去費用は誰が負担するべきなのか、費用はどれくらいになるのか・・」悩んでいませんか?

退去費用の基本的な考え方

記事を十分に理解するために、考え方を2つだけ知ってほしいです。

そこまで難しい内容ではないので一読するだけで理解していただけると思います。

どのように計算するのか

原状回復費用についての費用負担に関しては、大まかに以下のような原則があります。

  1. 物件の状態を確認し、修繕が必要な箇所を洗い出します。
  2. 修繕が必要な箇所の種類や程度に応じて、修繕費用を算出します。
  3. 修繕費用を算出したら、契約書に基づいて、入居者が負担する割合を決定します。

通常は入居期間修繕箇所に応じて負担割合が決められます。
入居者が故意や過失によって損害を与えた場合は、入居者が全額負担になることもあります。

詳細はこちらの記事で紹介しています。

だれが負担するのか

原状回復費用についての費用負担に関しては、大まかに以下のような原則があります。

  1. 原因が入居者によるものであれば、経年劣化・通常損耗を除いた部分を入居者が負担する
  2. 原因が普通の使用によるものであれば、大家さんが負担する
  3. 原因が老朽化や不可抗力によるものであれば、大家さんが負担する

詳細はこちらの記事で紹介しています。

 

クッションフロアのキズ・穴・凹みについての費用負担の可否

引っ越しや家具の移動等の際にクッションフロアにキズをつけてしまった

■費用負担の有無
家具等を移動させた時についたクロスのやぶれ・はがれは借主の発生となる可能性が高い
■根拠
借主の行為である家具の移動したことによってついたは通常を超える損耗である為
家具を設置した跡についたものでなく、移動したことによってついた場合は、通常の使用を超えるものと判断されることが多いと考えられる。
■修繕方法と費用負担目安
○修繕方法
貼り替えが一般的
○金額目安
3,000〜5,000/㎡
単位:一面
※6年で価値が1円になる減価償却の考慮あり

入居中にものをぶつけてしまった等でクッションフロアが凹んだり、破れたりした

■費用負担の有無
モノをぶつけた等によるクッションフロアのキズや凹みは借主の発生となる可能性が高い
■根拠
故意・過失に関わらず物をぶつけてしまった等によるキズや凹みは借主の行為による通常を超える損耗である為
家具を設置した跡についたものでなく、移動したことによってついた場合は、通常の使用を超えるものと判断されることが多いと考えられる。
■修繕方法と費用負担目安
○修繕方法
貼り替えが一般的
○金額目安
3,000〜5,000/㎡
単位:一面
※6年で価値が1円になる減価償却の考慮あり

つっかえ棒を取った際にクッションフロアに凹みや破れが出来た場合

■費用負担の有無
つっかえ棒を設置していたことによるクッションフロアの凹み・キズは借主の発生となる可能性が高い
■根拠
借主の設置していたものによるクッションフロアの凹み・キズは通常を超える損耗を超えている為
つっかえ棒を設置する行為は通常の生活の範疇であると考えるのが妥当であり、跡程度であれば通常の損耗であると判断される可能性はあるが、クッションフロアを破いた場合には通常の使用を超えるものと判断されることが多いと考えられる。
■修繕方法と費用負担目安
○修繕方法
貼り替えが一般的
○金額目安
3,000〜5,000/㎡
単位:一面
※6年で価値が1円になる減価償却の考慮あり

ペット(猫や犬等)が引っ掻いてクッションフロアに複数のキズが有る

■費用負担
飼っていた猫や犬等のペットが引っ掻いたことによるクッションフロアのキズは借主の費用負担となる可能性は非常に高い
■根拠
飼っていたペットによるクッションフロアのキズは通常を超える損耗であるため
共同住宅におけるペットの飼育は未だ一般的ではなく、ペットの躾や尿の後始末などの問題でもあることから、ペットによる畳の汚れは賃借人負担と判断される場合が多いと考えられる。

 

■修繕方法と費用負担目安
○修繕方法
貼り替えが一般的
○金額目安
3,000〜5,000/㎡
単位:一面
※6年で価値が1円になる減価償却の考慮あり

読者から質問の多い項目

Q.なぜ、破れや剥がれのある一部分を切り取って張り替えを行わないのか?

A.借主・貸主の両方にとってメリットが有るから

 

確かにクッションフロアは切った貼ったのものなので、一部分の貼替えは技術的に可能です。

 

しかし、可能であるからといって一部分の張替えを一般的にした場合どうなるでしょうか。

おそらく、全国の賃貸物件の壁紙が継ぎ接ぎだらけになることでしょう。

 

そして、退去費用の算出には、「どの部分の張替えをいつ行ったか」「一部張り替えしたクッションフロアは剥がれやすくことなども考慮する」こととなり、正確に退去費用を出すことは困難になり、最終的には退去まつわるトラブルも一層増えるでしょう。

 

実際に、全国の多くの物件では、入居者の退去の一連の作業を、大家さん自身で行うのではなく、管理会社が行っています。
管理会社では一人の担当に複数の物件をもたせることが普通です。

その中で、それぞれの部屋のどの箇所を一部分張替えたのかを把握することが現実的でないことは容易に想像・理解できます。

賃貸の物件に関わる人々がトラブルを防ぐために、クッションフロアはは一面での張替えが一般的なのです。

破れ・剥がれ・汚れ・カビ・サビ・家具跡の場合は?

それぞれ以下の記事で紹介しています。